お知らせ

3月決算法人と税制改正について

昨年平成29年の年末に取りまとめられた平成30年税制改正大綱は4月1日に施行されております。

5月末が申告期限のH30年3月決算法人様(資本金が1億円以下の法人)について、平成30年税制改正や、過去の税制改正がどのように影響されるのか確認していきます。

 

1)所得拡大促進税制

・従業員の給与を増加させた場合、税額控除が受けられる制度です

平成30年度改正で、給与等の増加額について税額控除を受けられる適用要件と控除割合が優遇されました。

→新制度は平成30年4月1日以後 開始事業年度より適用となるので、H30年3月決算期に新たな改正の影響はありません

なお前回平成29年の税制改正によりH29年3月決算期よりも控除割合が増加しておりますので、引き続き適用を受ける場合はご注意ください。

 

2)交際費課税の特例

・交際費のうち接待飲食費の半額のみ損金算入

又は

・交際費全体の年間800万円まで損金算入 が可能となっている特例制度です

 

3)少額減価償却資産の損金算入特例

・30万円未満の減価償却資産は一括損金算入ができる制度です

(年間300万円が限度)

→ 2)と3)は、いずれも平成30年3月までとされていましたが、平成32年3月まで2年延長されました。

よってH30年3月決算期も従来のまま適用が可能です

 

4)中小企業経営強化税制(平成29年度改正)

・経営力向上計画の認定を受けている法人様が、設備投資をした場合(中古資産や売電用の太陽光発電設備、医療機器等を除きます)に、償却費や税額控除について優遇を受ける制度です

→平成29年4月から平成31年3月の間に行った設備投資対象資産から、「建物・構築物」が除外されています

 

5)研究開発税制(平成29年度改正)

・一定の試験研究を行った場合、税額控除が受けられる制度です

→H30年3月決算期からIoT、ビッグデータ、人工知能等を活用したサービスを開発するための試験研究費が対象費用に加えられています

 

6)法人所得が800万円を超える部分の法人税率(平成28年度改正)

→平成28年4月1日以後に開始する事業年度の税率 23.4%、

平成30年4月1日以後に開始する事業年度の税率 23.2%

 

よって、H30年3月決算期の法人所得800万円を超える部分の税率は23.4%です。

※法人所得800万円以下の部分については、適用期限が延長されたため、法人税率15%まま変更はありません

 

新たな税制改正だけでなく、過去に決まった改正が2年後に適用開始となる場合などがあります。特に4月は税制改正の適用開始月となることが多いため、3月又は4月決算月の法人様は税務申告時に、特に注意が必要です。